地方NPO団体の不祥事に関して思うこと
ある女性の投稿した記事によって、地方のNPO団体が色んな方面から総攻撃を受けているようです。
この女性が受けた被害が真実であるかどうか、炎上しているNPO団体とその加害者が本当に当事者なのか
そういった推理や検証には興味がありませんし
この事件をきっかけに炎上商法でアクセスを稼ぐというのも唾棄すべき行為だと思うのですが*1
上の記事内にある書き込み(言い回し)については非常に一言申したい。
「地方創生」なんて言葉が声高に叫ばれている今、これが地方移住の現実です。
”田舎はあったかい”だなんて嘘っぱちだってことは、自分の地元で暮らしていて散々身にしみてわかっていたことです。
この方の地元生活があたたかくなかったことと
この方が性犯罪の被害にあってしまったことと
地方移住の現実とは、全く別の問題だと思うのです。
性犯罪加害者の擁護のようになってしまう前に、私の考えを少し書いておきますと
私は性犯罪というものを心底憎んでいます。
加害者はほとんどの場合、傲慢で、愚かで、直情的である。
そして、被害者に非があるかどうかは一切関係がない。
施錠していれば防ぐことが比較的容易な盗難被害と違い、性犯罪は完全に防ぐことは難しい。
加害者にその気があれば起こってしまう、詐欺のような犯罪だと考えています。
法律は加害者に甘いと思ってしまうし、被害者が事件後も何かを強要されるのはおかしいと思うし
だからこそ、この女性の判断には正否を問うべきではないと思うし、決断には敬意を表する。
しかし、上記に引用したあの文章はどうなのだろうか。
noteに綴られる文章からは、加害者は傲慢で、愚かで、直情的に見える。
しかし、地方で生活する人間がすべて傲慢で愚かで直情的なのだろうか?
私はこの発言からは「優秀な人間は都会へ行き、田舎には残り物の無能しかいない」
という言説に近しいものを感じてしまう。
田舎特有の身内びいきから、隠蔽しようとすることは醜い行為でしょう。
しかしながら、地方で犯罪が起こったからといって地方は性犯罪の温床かのように言われるのは納得がいかんのです。
これは居酒屋チェーンでセクハラがあったから、近所のコンビニ店長をセクハラ親父と揶揄するくらい、お角違いなことだと思う。
人の印象というのは、なかなか侮れない。
とくに、自分から遠いこと、非日常的な犯罪のことについてはなおさらだ。
たとえば、日本の殺人事件の発生率はどのように分布しているかご存じだろうか。
治安の悪い繁華街のイメージが浮かぶかもしれないが、実は田舎のほうが発生率は高い。*2
理由なき殺人などは例外中の例外で、いつだって人は人との摩擦で殺人を犯す。
あるいは、犯罪の低年齢化、少年犯罪の割合などはどうだろうか。
今回の件について、風評被害を受けるのは、発信力が弱く、風評をはねのける能力に乏しい人ばかりだ。
非常に強力な悪循環が容易に想像できる。*5
この事件について、真に訴えるべきは「これから地方へ行こうとする人」や「都会から地方を傍観する人」への注意喚起ではない。
「今まさに地方で生活する人」への被害者を生まない、加害者にならない、当たり前の人間の営みである。
アメリカで実施されている、性犯罪者のマッピング制度は、日本にも必要かもしれない。
この国は、地方の自治を担っていた「村八分」はすでに機能していない。