緊急時の連絡先について
大野地区では、救急連絡カードというものを今年度の初めに配布しました。
災害時、または自宅で倒れた時などに
発見者や救急隊員の方へ役立ててもらうためのカードです。
かかりつけの病院、かかっている病気、常用薬、アレルギーの有無などを記入できます。
こういった項目は、本人でも緊急時にスムーズな伝達ができるとは限らないものです。
また、平生町では高齢化に加え独り暮らしの方も多いということから
緊急連絡先も記入することができます。
息子さんがいるはずなのに、どこに住んでいるか分からない、ということも多いからです。
この救急連絡カード、いざという時には必ず役に立つのですが
根本的な矛盾を抱えているのも事実です。
「独り暮らしの高齢者が倒れた場合、誰が救急車を呼ぶのか」ということです。
このカードの効果が最も大きい状況ほど、役に立たないかもしれないのです。
先日、交流センターに1本の電話が入りました。
「電話中だった相手と急に通話が切れて、連絡がとれなくなった」
「息子さんの住んでいるアパートの管理人と連絡をとりたい」
というものです。
平日ということもあり、直接息子さんと連絡がとれなかったようです。
わずかとはいえ、異常に気づいてもなかなか救急車は呼べないのが人間の心理です。
センターからすぐの家だったため、私が直接訪問して安否を確認できましたが(電話機の不調でした)
これが休日だったら、深夜だったら、と考えると不安を感じます。
最近では、郵便局や警備会社による「高齢者の見守りサービス」が登場しています。
定期的な自宅訪問、電話による毎日の安否確認、体調管理などが行えるようですが
契約の料金、あるいは緊急時に駆けつける時間など、決して万能とは言えないと思います。
こうした時「この人なら助けてくれる」という人がいるかどうかは、非常に大きいと感じました。
昔は地域に人の目があり、自然と防犯対策ができていたり
庭先や散歩などで、自然と近所の高齢者の安否確認ができていました。
旅行に出る際に、近所にペットの世話を頼んだりもできました。
こうしたサービスは、今ではお金や科学の発展で代替可能な時代になりましたが
機械や住民以外の人間には、なかなか手の届かない範囲、というのもあると思います。
高齢者の孤独死、災害対策、過疎地を狙った犯罪など、地方に見えてきた新しい課題
それらを「自治会」という単位だけで対処することができるのでしょうか・・・。
住み心地の良さに直結する、重要な問題です。