木綿のハンカチーフから無理やり見る現代日本
昨日の記事で今年の締めの挨拶をしていなかったので、温めておいた話題とご一緒に。
下書き在庫一斉処分セール実施中。来年もよろしくお願いいたします。
唐突ですが「木綿のハンカチーフ」が好きなんです。
1975年に発表され、太田裕美さんが歌ったことでお馴染みの、あの歌謡曲です。
とは言っても私は年代的に直接触れることはできなかったので
最初に出会ったのは椎名林檎さんのカバーアルバム「唄ひ手冥利」からですけどね。
原曲とはまた違う、80年代ポップ調のアレンジと、情感たっぷりに歌い上げる二人に感動したものですが
オリジナルの太田裕美さんは、敢えてあの入り込み過ぎない歌い方をしていたのだと最近知りました。
そしてまた、別の方向からアプローチしたカバーを最近発見しました。
山形県出身で二度の民謡日本一に輝いた経歴を持つ、朝倉さやさんの山形弁カバー。
地元では焼酎のCMでも御馴染のようです。
これは是非一度聞いてみてもらいたい。
さて、こっからボブディランの話に広げたいんですが
脱線しすぎてるので話を元に戻そうと思います。
現在日本は「東京一極集中」と呼ばれる現象が起きています。
東京が人を引き寄せる理由は様々あるでしょう。
大学や専門学校の質、量の多さ。それに伴うエスカレーター式の就活。
単純な企業、居住地の密集によるインフラの充実。規模の経済。
「なぜ人は東京に行くのか」と問われて「お洒落だから」以上の理由はいくらでも出てきます。
日本の人口は減り続けているのに、一部の都市圏のみが人口を増やし続けている。
でも、これは戦後から集中し続けているわけではないんです。
社会増(自然増と転入数と外国人流入数の合計)を見れば、ほぼ常に増加し続けていますね。
元々が東京大空襲で激減していたわけですから、当然といえば当然ですが。
ところが転入数のみを見てみると、印象がだいぶ変わります。
実は集中してるのは高度経済成長期、バブル期、現在の3回しかありません。
要するに「仕事を求めて若者は上京するが、いずれ田舎に帰っていた」のが実情のようです。
その中で、木綿のハンカチーフのように故郷へ未練を残しながらも
都会の絵の具に染まってしまう人も出てきていたのです。
この場合の現代社会における「木綿のハンカチーフ」は何になるんでしょうかね。
とまぁ、これだけの情報ですと
「東京が恋人を奪ってしまった」「東京から息子が帰ってこない」「地方に労働力が少ない」
「子供が増えない、高齢者が多い」などと文句を言いたくもなりますが
じゃあ東京(都市圏)ってこれだけ若者を飲み込んでいるのだから、さぞかし子供が産まれて高齢化率は低いのかと思うと
合計特殊出生率 全国平均1.43 東京都平均1.13
65歳以上の割合 全国平均27% 東京都平均23%
なんてこった、子供全然おらんし、お年寄りもめっちゃおるやんけ!
要するに東京に人が増え続ける理由は高齢化による生産人口の減少であり
むしろ若者が都会に行かなくなった時こそ、日本が危ないという見方もできますね。
もう働き盛りの若者はみんな都会に単身赴任していただいてですね
子育て世代の皆さんは地方の介護施設で働いて
動ける高齢者はベビーシッターをやればいいんじゃないですかね。
あれ、これ昭和の日本じゃない?なんという原点回帰。